2017年12月13日水曜日

スーパージェネラリストになるには

近年、高校で地域性を生かした特色あるコースや学科、総合科目ができています。
国際観光科や地域創造科など。
今後はワイン科など増えて行くでしょう。


ただ、「それらを学んでもむしろ専門的で、高校生の進路選択の幅を狭めるのでは?」

という意見があり、
僕は「そんなことないですよ」
と言っていましたが、なかなか理解が得られませんでした。
が、これは良い話です。

「一芸に徹すれば万般に通ず」
〝 〔スーパージェネラリスト〕
 アメリカのニューメキシコ州の片田舎に、
 現代科学の最先端のテーマ、「複雑系」を研究する
 サンタフェ研究所があります。
 世界的に知られるこの研究所では、
 物理学、生物学、心理学、政治学、経済学、社会学など
 様々な分野の専門家が世界中から集まり、
 広汎な学際的研究が行われています。
 かつて、このサンタフェ研究所を訪問したとき、
 初代所長のジョージ・コーワン博士に会う機会を得ました。
 そのとき、博士の語った言葉が、心に残っています。
 「世界中からノーベル賞級の研究者が集まる
  このスペシャリスト集団をマネジメントするために
  どのような人材が必要なのでしょうか」
 その問いに対して、コーワン博士は、ただ一言で答えました。
 「スーパージェネラリストです」
 なぜ、博士のこの一言が、深く心に残っているのか。
 それは、博士の語る「スーパージェネラリスト」とは、
 単に、様々な分野の知識を幅広く理解している人材
 という意味ではなかったからです。
 「スーパー・ジェネラリスト」とは、
 一つの専門分野を深く掘り下げた経験を持ち、
 その結果、すべての分野に通じる
 深い叡智を獲得した人材のことだったからです。
 一芸に徹すれば、万般に通じる。
 その古き日本の諺のごとく、
 我々の叡智を求める営みは、
 あたかも「井戸水」のように、
 一つの場所を深く掘り下げていけば、
 必ず地下水脈に突き当たり、その地下水脈は、
 どこまでも横に広がっている。
 西洋科学の最先端が求める「スーパージェネラリスト」
 それは、東洋思想における
 叡智の在り方に通じる言葉でもあったのです。
                  田坂広志さんより〝

田坂さんが引用した“一芸に徹すれば、万般に通じる。”

確かに、一つのことを突き詰めると問題や課題が多岐に渡ります。
なぜなら、一つの物事は、実は複雑に様々な要素が絡み合っており
一つの分野や学問でアプローチすることは困難です。
だからこそ、突き詰めていくと、様々な分野や学問に突き当たります。
その経験がスーパージェネラリストを育むのではないでしょうか。


そして高校生であれば、様々な分野や学問に触れられることで、自身のやりたいことを見つけられるのではないでしょうか。


私自身がお世話になった慶應義塾大学SFCもそのようなキャンパスだったのでとてもよくわかります。

“一芸に徹すれば、万般に通じる。”

心に留めておきたい言葉です。

2017年10月27日金曜日

課題解決型授業の“課題”とは何か

大学国際マネジメント入門の授業クライマックス迎えまし

授業は、僕以前、設計に関わっ内容本学本学部に合う様にゼロベースで見直し講義です。

2011年に開発に関わっ授業です当時はようやく大学でも「課題発見解決能力必要」と言われ始め時期。さらには就職見据えて社会人基礎力身につける講座必要だけど、どうやって企業経験大学に持ち込むか、良質な失敗体験積ませる、など余震起きている新宿や明治大学キャンパスで議論しな作っていまし

もちろん、当時は精一杯モノ作ってい自負はあります。

しかし、記録は破られるめにある、と同様に、教育プログラムも、それこそプログラム自身課題発見解決、教育哲学や社会状況変化により更新されるは宿命なかもしれません。

2011年当時よりは高校でも大学でも課題発見解決型、つまりはPBL型授業が増えてきまし
当時僕は、SFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)時代に培っプロジェクト学習知見活かして、海士町で夢ゼミや夢探究というPBL型授業設計と実施してまし
当時は珍しかっ様です今では4割くらい高校課題発見解決型授業り、大学ゼミ活動なども含めて地域に出て課題発見解決するという教育スタイル散見される様になりまし
それはそれでいいことだと思います。

しかし、高校生や大学考える課題や解決策見てみると、ある傾向ありまし。それは
①課題発見解決策他人事
 つまり評論家的な視点で、自分ごと感感じない。(で、それ、キミやる?魂込めて)
そして、これは致命的、
②課題発見解決策だいい同じ
 予定調和でし

①に関しては、やはり自分に関係ない問題に取り組んだって、自分ごとにはならないんですよね。
ハックマンとオールダム職務特性モデルでも「仕事結果に感じる責任」ないと「高い内的仕事モチベーション、質高い仕事業績、仕事へ高い満足、欠勤・離職率低下」に繋らない様だし。
自分に関係ない問題に取り組むことは仕事結果に感じる責任感産みにくいと考えると、そもそも課題発見解決型授業アウトカム達成しにくいと思います。

②に関しては、だいい「地域発見してSNSで発信しよう!」「ゆるキャラ作ろう」「地域良さわかれば人来るはず!」など収束してしまう傾向あっ
あとはどこからともなく良さそうな解決策持ってくるとか。深堀して考え抜いからは遠いもです。
(それはそれで高校生や大学頑張って考えでいいでは?と思うけど、企業で研修費用削られている状況では少しでもできることはしほういい立場です。)

2点に関して、悩んでいところに、本学山本先生ちと議論で得られ知見から、
身近で自身に関係して、場合によっては問題・課題可変可能」
コンピテンシーだけ重視するではなくリテラシーも育みなら(授業でリテラシー育成並行して実施)」
2点ポイントになっかなと思います。もちろんすべてチームではないけど、なかなか質高いプレゼンや質疑応答プレゼン大会で出てきではないかと思います。
2点課題様に解決しようとしかはまいずれ。

国際マネジメント入門は大先輩2名先生に、新米教員引っ張られならなんとか形に残すことできまし。感謝。

来年はもう少し良い動きします。(宣言)

教員みなさま、学生さん、太陽アソシエイツ方々、ありとうございまし

2017年9月25日月曜日

ビリギャル×ふるさと留学説明会 ~不可能を可能にする国内留学とは?~

今回はふるさと留学と、あの”ビリギャル”がコラボします。

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10月15日(日)10:00~13:00@水道橋
特別トークイベント ゲスト「小林さやかさん」
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公”ビリギャル”ご本人。
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ビリギャルといえば、ベストセラーのみならず、映画化までされ、社会現象にまでなった「学年ビリのギャルが1年間で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の主人公です。
おかげで慶應大学を受ける生徒が増えて私は嬉しいです。しかも、学部まで同じ!(筆者:慶大SFC出身)
今は29歳になられて、生徒や保護者向けに出張授業などされています。

ビリギャルこと、小林さんは5つのことを実践すれば不可能は可能に変えられると教えてくれました。感心して聞きながらも「ん?それはふるさと留学先の高校でもできる、もしくはしているのでは?」と思い返しました。

ふるさと留学先の高校改革×公営塾×教育寮には、ビリギャルが伝えたい不可能は可能に変える5つのことがあるんだ!と言うのが発見でした。

ビリギャルの「不可能を可能に変える5つのこと」に興味がある人。
ふるさと留学・国内留学に興味がある人。
どちらにも興味がある人。

ぜひ、おいでください!


また、当日は採用についてご案内するブースも設けますので、公営塾で働いてみたい、高校魅力化プロジェクトに興味があり、私も参画したい!という方もぜひおいでください!


文責:株式会社 Prima Pinguino代表 藤岡慎二 北陸大学経済経営学部教授 総務省地域力創造アドバイザー


◆ビリギャル×ふるさと留学合同説明会

日時:2017年10月15日(日)10:00~13:00
会場:リロの会議室「水道橋」〒112-0004 東京都文京区後楽1-2-8 後楽一丁目ビル 4階
対象:中学生とその保護者など、ビリギャル、もしくはふるさと留学に興味がある方
料金:無料
参加申込:ビリギャル×ふるさと留学合同説明会の申し込みフォームよりお申し込みください
参加校:久米島高校(沖縄)、大崎海星高校(広島)、白馬高校(長野)、只見高校(福島)、阿賀黎明高校(新潟)、和気閑谷高校(岡山)
公営塾スタッフ募集地域:利尻、夕張、白糠、大崎上島、伊方

>>>お申し込みはこちらをクリック<<<


*ふるさと留学とは
============================================================================
ふるさと。

そこには、ゲームセンターも映画館も大型SCもない。分刻みで次々と流れてくる電車も、
見上げるような高層ビルもない。コンビニも、信号すらほとんどないことも。

でも……

トカイの子・イナカの子との刺激ある新しい出会いがある。
温かく明るい地域の人々とのふれあいがある。
満天の星空や豊かな緑、透き通った海がある。
鳥のさえずりに目を覚まし、虫の声とともに眠る日々がある。
寮生活を通じて高まる自立心がある。
地域の支援により運営される公営塾がある。
地域特性・地域資源を活かした、そこでしか学べない独自の教育プログラムがある。

そんな「何もないようで、すべてがある」日本の“ふるさと”で過ごす、かけがえのない高校3年間を創ってみませんか!?

――それが「ふるさと留学」!いま、新しい高校進路選択のひとつとして、注目されています。

どんな仕組みなの?どんな地域や学校が受け入れてるの?毎日の学校生活は?費用は?我が子(自分)でもやっていける?

そんな疑問にお答えする、合同説明会を開催します。

今回の参加校は、

・久米島高校(沖縄)
・大崎海星高校(広島)
・白馬高校(長野)
・只見高校(福島)
・阿賀黎明高校(新潟)
・和気閑谷高校(岡山)

各地の担当者も来場しますので、個別相談も可能です!

【こんな人(保護者・生徒)はぜひ!】

・中学生(特に中3)のお子さまがいらっしゃる保護者の方
・高校の進路をまだ決めかねている方
・このまま地元高校→大学という「普通」の進路より、もっと特別な経験を積ませたい方
・地元に行きたいと思える高校がない方
・寮生活で子どもの自立心を育てたい方
・中学までと環境を変えて、新しい高校生活に挑戦したい方
・大集団よりも、少人数の手作りの教育の中で学びたい方
・トカイよりもイナカが好きな方
・家族での地方移住を考えている方
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◆ビリギャル×ふるさと留学合同説明会

日時:2017年10月15日(日)10:00~13:00
会場:リロの会議室「水道橋」〒112-0004 東京都文京区後楽1-2-8 後楽一丁目ビル 4階
対象:中学生とその保護者など、ビリギャル、もしくはふるさと留学に興味がある方
料金:無料
参加申込:ビリギャル×ふるさと留学合同説明会の申し込みフォームよりお申し込みください
参加校:久米島高校(沖縄)、大崎海星高校(広島)、白馬高校(長野)、只見高校(福島)、阿賀黎明高校(新潟)、和気閑谷高校(岡山)
公営塾スタッフ募集地域:利尻、夕張、白糠、大崎上島、伊方

>>>お申し込みはこちらをクリック<<<

2017年8月23日水曜日

高校魅力化プロジェクトの卒業生は

全国各地で実施されている魅力化プロジェクトスタッフ募集で
よく問い合わせがあるのは「プロジェクト卒業後どうなるの?」です。
私たちが実施しているプロジェクトは地域おこし協力隊を活用しています。地域おこし協力隊は3年間の任期付きです。
3年後には定住か、移住かを選ばなければなりません。定住するのであれば問題はありませんが、移住する場合はキャリアが心配ですね。そこで今回は卒業生がどうなっているのかを取材してもらいました。
高校魅力化プロジェクトを卒業後、キャリアアップしている人たちに登場してもらいます。高校魅力化プロジェクトが参画した人にとっても意味・意義あるプロジェクトであり、将来、教育やその周辺で活躍する人の登竜門になっているという文化を根付かせたいと思っています。
卒業後、ある人は大学教授に、ある人は国際バカロレアの先生に、ある人はデンマークに留学し、日本のその教育を持ち込もうと実践している。皆が、志をもち、実践している。これってすごいことなんじゃないかと思っています。

なぜこのようなキャリアを歩めるかといえば、(もちろん場所によってですが)組織や地域のためだけのキャリアデザインではなく
「仮に3年で出て行っても、困らないように」と言う考えが高校魅力化プロジェクトのスタッフには働くのでしょう。
組織や地域のみならず自身が望む、かつ汎用的なキャリアを積むことができる期間って、人生の中でとても大切だと思います。
組織や地域に可愛がられれば、それはより一層強くなるし、もし、そういう人が地域を出て行っても、地域の関係人口として、将来の認知人口・関心人口・交流人口の増大を望めます。いずれは定住人口になるでしょう。

地域に留めるだけでなく、地域に来た風の人の成長は、やがて新たな風となって地域に返ってくるのです。

目指すは教育界のリクルート、もしくはマッキンゼー!
(卒業した人が頑張って活躍している意味で)

まちづくりと教育

2017年8月8日火曜日

8月のふるさと留学合同説明会のおしらせ

【9/17 説明会は実施します。
台風接近に伴い、説明会の可否を検討しましたが、17日午前中は関東近辺は
大きい天候の乱れなどないと判断し、説明会を実施することになりました。
足元が悪い可能性もありますので、気をつけてお越しください。】
【全国の離島・中山間地の公立高校へ「ふるさと留学」!】
新しい高校進路選択のカタチ「ふるさと留学」を受け入れている各地の高校や、町のことが分かる合同説明会を東京・大阪で開催します!

8月20日(日)13:30~15:30
リファレンス大阪駅前第4ビル 貸会議室2302

8月27日(日)10:30~12:30
リファレンス 新有楽町ビル Y204
9月17日(日)10:30~12:30
リファレンス 新有楽町ビル Y205
==============
ふるさと。

そこには、ゲームセンターも映画館も大型SCもない。分刻みで次々と流れてくる電車も、見上げるような高層ビルもない。コンビニも、信号すらほとんどないことも。

でも……

トカイの子・イナカの子との刺激ある新しい出会いがある。
温かく明るい地域の人々とのふれあいがある。
満天の星空や豊かな緑、透き通った海がある。
鳥のさえずりに目を覚まし、虫の声とともに眠る日々がある。
寮生活を通じて高まる自立心がある。
地域の支援により運営される公営塾がある。
地域特性・地域資源を活かした、そこでしか学べない独自の教育プログラムがある。

そんな「何もないようで、すべてがある」日本の“ふるさと”で過ごす、かけがえのない高校3年間を創ってみませんか!?

――それが「ふるさと留学」!いま、新しい高校進路選択のひとつとして、注目されています。

どんな仕組みなの?どんな地域や学校が受け入れてるの?毎日の学校生活は?費用は?我が子(自分)でもやっていける?

そんな疑問にお答えする、合同説明会を開催します。

今回の参加校は、

・久米島高校(沖縄)
・大崎海星高校(広島)
・白馬高校(長野)
・只見高校(福島)
・和気閑谷高校(岡山)

各地の担当者も来場しますので、個別相談も可能です!

【こんな人(保護者・生徒)はぜひ!】

・中学生(特に中3)のお子さまがいらっしゃる保護者の方
・高校の進路をまだ決めかねている方
・このまま地元高校→大学という「普通」の進路より、もっと特別な経験を積ませたい方
・地元に行きたいと思える高校がない方
・寮生活で子どもの自立心を育てたい方
・中学までと環境を変えて、新しい高校生活に挑戦したい方
・大集団よりも、少人数の手作りの教育の中で学びたい方
・トカイよりもイナカが好きな方
・家族での地方移住を考えている方

積極的に検討してみたい方も、ちょっと興味がある方も、将来の参考にという方も、ぜひお越しください!

あなたの第2の「ふるさと」に出会えますよ!


【お申込み・お問い合わせ先】
こちらの問い合わせフォームよりお申込み・お問い合わせください。
*「件名」は「その他」を選択ください。
*お申込みの際は「内容」に以下の必要事項をご記載ください。
 〈必要事項〉
 ・お申込みの説明会日程
 ・参加人数
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皆様のご参加お待ちしております。

2017年7月26日水曜日

命の志望理由書

白馬高校魅力化プロジェクト、そのプロジェクトを超えて公私に渡って
お世話になっていた冨原さんが5月25日に他界されました。
 
大切な白馬高校魅力化プロジェクトの仲間であり、同志であった方が
天に召されました。
 
僕がお会いした2年前からすでに闘病生活を送られていました。
不屈の精神で何度も元気になったのですが・・・
最期は家族や経営するホテルの仲間たち、そしてまちづくりをしている
多くの仲間たちに見送られたそうです。
 
冨原さんとの出会いは2015年3月。
僕が白馬村に呼ばれて講演をした時に、
白馬高校魅力化プロジェクトの住民側の中心メンバーとして
冨原さんはその場に、いらっしゃいました。
冨原さんが絶妙なタイミングで県会議員さんにも引き合わせてくれて、正式にプロジェクトメンバーとして認められました。
 
2015年夏あたりから白馬高校魅力化プロジェクト、そして
公営塾設置のお手伝いが始まった頃から、関わりがスタート。
白馬に行く時はいつも冨原さんが運営される「シエラリゾート」に宿泊させてもらいました。
白馬高校に行く時の密かな楽しみにはあの温かい冨原さんの世界観が詰まったホテルに
滞在することでした。
 
家族でもホテルに伺わせてもらい、楽しい、貴重な家族との、ひと時を過ごさせてもらったものです。
 
白馬高校国際観光科がスタートし、初年度は全国から地元から生徒が入学してきて
少しずつ軌道に乗り始めました。
 
白馬高校魅力化プロジェクト2年目、冨原さんの娘さんが大学入試に挑戦することになり
また冨原さんとお会いする機会は増えました。
何度も何度も話し合い、志望校を決めて、その後何度も、朝まで、または夜3時くらいまで、
皆でご自宅に籠って準備をしました。いつも気にしてくれて差し入れを持ってきてくれました。
限られた時間の中での対策。さすがの僕も楽観的ではいられなかった。
でも、あの屈託のない笑顔を覗かせてくれるだけで、安心し、勇気が出てきたことを
覚えています。隠岐島前から早稲田や慶應SFCに合格者を出した時以上のハードルも
彼の笑顔が「ひょい」と乗り越えさせてくれた気がします。
 
厳しいツッコミにも耐え、彼女の白馬や山への想いを込めた「志」が溢れ出て、
彼女と家族と白馬の命のかけら、分身のような出願書類が。
見せてもらった瞬間、「ぶるっ」と震えたことを覚えています。
「これはいけるかも」
そう思いました。
 
念願叶って娘さんが第一志望の慶應義塾大学に合格。
彼女が日本に帰国してから時間もない中での準備だったので、決して簡単ではなかったのですが
家族皆で頑張って、合格を勝ち取られました。
僕は久米島で観測史上最強の台風を体験した時に、何度も彼から電話があって
「もしや!」と思ったら合格の知らせでした。本当に喜んでくれていた様子が
電話からわかりました。僕もとても嬉しかった。白馬高校でやりきった感がありました。
 
「あまりにも嬉しくて、元気になっちゃた。寿命も伸びちゃった」
そんなこと言われたから、嬉しくて、恥ずかしくて、震えて、声が出なかった。
 
また、その後、家族で白馬に伺わせてもらったり、
「ねね、見て、腫瘍が消えちゃったんだよ、意外と僕、しぶといでしょう?」とレントゲン写真を見せて話くれた元気な冨原さんを見た時は本当に涙が出るほど、嬉しかった。
今年の3月にシーズンが始まった岩牡蠣春香を食べたり。念願だった娘さんの入学式に行ったり。思えば、僕も関わり始めて3年目。「
ああ、これはもしかするともしかしてしまうんではないか!」と期待をしていました。
 
でも、残念ながら、その想いは届きませんでした。
 
金曜日、大学へ向かう道すがら、訃報を知り、呆然としました。
目がかすむので、車を路肩にしばらく止めた。
 
お通夜の夜、ご家族に聞いたのですが、大学に出願した娘さんの志望理由書を
皆に見せて回っていたそうです。
娘さんは恥ずかしがっていましたが、本当に、娘さんがこんなことを書いてくれるなんて、
思ってくれるなんて、志を立てるなんて、嬉しかったのだと思います。
 
お通夜と告別式に参列。多くの方が見送りにきてくれました。
いろいろな方の弔辞から、白馬への想い、白馬高校への想い、そして家族や娘さんへの想いが伝わってきました。娘さんの大学合格をそんなに喜んでいてくれていたんだと、改めて知った同時に涙は止まりませんでした。
 
最後の喪主からの挨拶は二人の娘さんから。
本当に立派な、これからの覚悟が、想いが、父への愛情が伝わる挨拶でした。
 
父から娘に、しっかりと大切なことが受け継がれたと皆が確信したと思います。
 
白馬への想いが若い人たち”百馬力”に受け継がれ、娘さんの進路も決まり
晴れの姿を見届けて安心して、天寿を全うされたのだと思っています。
 
また、どこからともなく「また来ちゃったよ〜」なんて、屈託のない笑顔で
出てきてくるんじゃないかって、思っています。
 
いつまでも白馬を、白馬高校を、家族を見守っていてくださいね。
 
冨原さん、今日も山は綺麗ですよ。
山を見守りつつ、安らかにお眠りください。
 
本当にありがとうございました。
 
いつか天国で、現世ではできなかったけど
お酒を呑みながら語りましょうね。

2017年6月7日水曜日

6月・7月に大阪・東京にて「ふるさと留学」説明会を行います!

離島中山間地域への進学を希望する中学生と保護者の皆様におかれましては、積極的にご参加いただければ幸いです。

また、会場では「ふるさと留学」合同説明会として、福島県・長野県・広島県・沖縄県の高校が参加していますので、ぜひお越しください。
「ふるさと留学に興味がある」
「まだ進学先が決まっていない」
「話だけでも聞いてみたい」
といった中学3年生の皆様、保護者の皆様はぜひお越しください。
会場でお会いできることを楽しみにしています!

【日時】
・東京会場
6月24日(土) 13:00-15:00
 7月 2日(日) 13:00-15:00
7月16日(日) 13:00-15:00

・大阪会場
 7月 1日(土) 13:30-15:30

【場所】
・東京会場:リファレンス 新有楽町ビル Y204

・大阪会場:イオンコンパス大阪地区 大阪駅前 RoomE

【お申込み・お問い合わせ先】
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*お申込みの際は「内容」に以下の必要事項をご記載ください。
 〈必要事項〉
 ・お申込みの説明会日程
 ・参加人数
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皆様のご参加お待ちしております。

2017年5月31日水曜日

離島中山間への国内留学情報サイトリリース


離島中山間への国内留学情報サイトリリース

http://miryokuka.com/

現在、多くの公立高校が全国からの生徒募集を実施しいます。しかし情報がまとまったポータルサイトが存在しませんでした。保護者や生徒にとって情報収集しにくい状況が続いていました。そこで、弊社は保護者・生徒と公立高校の橋渡しをすべくポータルサイトをリリースしました。このサイトにより今後、多くの保護者・生徒が日本全国で実施されている公立高校の全国募集の状況、説明会の日時・場所などを知ることができます。今後、掲載する高校も増やし、より保護者・生徒に情報が届くように拡大予定です。

2017年4月5日水曜日

大切なのは走り続けることだけじゃない、走り始め続けること

【大切なのは走り続けることだけじゃない、走り始め続けること】

一部の方には伝えてきましたが、2017年度4月から金沢にある、北陸大学経済経営学部教授として着任しました。
元々、高校の頃から「理論と実践を両立する〝闘う大学教授〝」に憧れていました。理由は知る人ぞ知るマスター・キートン。欧州を中心に世界中を股にかけて難事件を考古学の知識を使って解決していきながら、ドジで人間味あふれるキートンが好きだった。その時から”理論と実践を両立”がテーマ。
SFCを卒業し起業。消えていく起業仲間を横目に見つつ、いつの間にか移住定住などの地域活性化・地方創生事業にも関わり始め、仲間やスタッフも増え始めた。北海道から沖縄、協働先はイギリスやバングラデシュまで。 今後はファンドと協働したグラミン銀行の日本版のマイクロクレジットみたいな起業家育成事業にも地方を中心にスタートの予定。紆余曲折もありつつもなんとか億単位の事業まで届いたので、スタートアップとしての経営者としては一つの区切り。

このまま進んでいけばいいじゃないか、と言われそうですが、
大学に目を向けたきっかけは、隠岐島前高校魅力化で関わって居た夢ゼミの1人の生徒の声。
「大学が面白くない」
君が面白くしろ!とも思うけど、でも、限界がある。安易に専門学校ではなく目的を見つけて大学もいいよ、と地域の子供達に伝えては来たけども、その大学が面白くないと意味がない。いくら目的を持っても面白い大学だけではない。
そう悩み始めたのは3年前。そんな時に、入ってきた大学の教員の話。大学改革も今後していくという。これだ、と思った。最近、猫も杓子も公立化に走る地方私大の大学改革が多い。しかし、この大学は枠ではなく、中身から、一番大切な本質から変えようとしている。この挑戦は面白いと思った。
確かに、この挑戦は難しいだろう。でも、起業した時とは違って夢を支えてくれる仲間がいる。
みかんが好きな人は、”切り開いた後は僕らが整えるから”とも言ってくれた。僕の夢を話したら、飛び込んでくれた人がいた。
もちろん、僕一人なら挑戦はしないだろう。
でも、仲間が応援してくれるのにやらない理由はなんだろう?それに、子供達に夢の大切さを、あーだこーだ、理論こねくり回して、こうでござる、とか言うのではなくて、大人は夢を追っている姿を見せることなのではないだろうか。僕は夢を追う大人の背中を高校魅力化で関わっている地方の高校生にも、目の前の大学生にも自身のキャリアに試行錯誤する若者にも、大人にも見せてみようと思う。

大切なのは走り続けることじゃない、走り始め続けることって穴という穴から液体を出しながらかっこ悪くてもいいので、体現しようと思います。
いつか、キートンに追いつきたい。

2017年2月28日火曜日

東京マラソン チャリティーランナーとして無事完走


東京マラソン、チャリティーランナーとして無事、完走できました!
寄付していただいた方々、ボランティアスタッフ、応援していただいた方々、ありがとうございました!
支えてくださった方々にお礼&報告できておらず、すみません。

初のフルマラソン、練習は15kmを2-3回+ダイエットで挑みました。無謀、無茶、無理だと言われましたが、無茶、無理だと言われると燃えるのが僕の性格。
しかし、現実は甘くありません。
20キロまでは順調で「お、意外といけるかな」と思った矢先、
22キロから急に足のマメがつぶれ、疲労で足が前に出なくなり。一番辛かったのは銀座あたり。関門を通過できたのは3分前とギリギリ。
「これで、足を痛めて、明日からの仕事に差し支えたらまずいな」とか「下手して再起不能になったらどうしよう」とかワーカホリック兼素人らしい心配をしていましたが、やがて、だんだんモノも考えることができなくなってきて、ただ、走って歩いて。ここからは自分との戦い。ただ、沿道からの応援が本当に力になりました。応援でここまで力が湧くものだと、40年生きてきて、初めて実感したかもしれません。最後の1kmは沿道からの「お帰りなさい」に元気をもらいました。
ゴールが見えた時は、もう、言葉を仕事のツールにしている僕でも、言葉が出ないって、あるんですね。
ただ「あ・・・あ・・・」
とカオナシのような魂の抜け具合の感じでゴールできました。ガッツポーズとかもうちょっと感動的かと思ったけど、最後はそんな感じ。でも、自己肯定感はMAX。
無謀な挑戦に心配していた妻に電話し、ブレイクルームに行って、
最後はカタリバさんのチャリティーランナー、ボランティアスタッフの皆さんと居酒屋で乾杯。やり遂げた人たちと、支えた人たちの祝い酒は美味かった。

東京マラソンを経て、やっぱり東京は好きなだと再確認。
普段は満員電車や職場で殺伐としているかもしれない人たちが、
目標を一つにして応援しあう。感謝し合い、支え合う。そう、これが東京の底力なんですよね。震災、余震が続く中で感じたあの感覚。確かに、東京は人が多くて、人の顔が見えにくい。つながりも感じにくい。寂しい思いをする時もあるけど、でも東京がたまに見せる、暖かい一面にほっこり。

無事、走りきることができました。走るきっかけをくれた寄付してくれた方々、カタリバのスタッフさん、沿道で応援してくれた見知らぬ皆さん、SNSで応援コメントをくれた皆さん、東京マラソンを支えたスタッフの方々。本当にありがとうございました&お疲れ様でした。
また来年、会いましょう。笑

2017年2月2日木曜日

【自らが、そこに居ないといけない存在から、そこに居ないといけない人を育む存在へ】

【自らが、そこに居ないといけない存在から、そこに居ないといけない人を育む存在へ】

〝殿、謀反でござる!〝と、言わんばかりの組織変革が弊社にて進んでいます。

昨年度まではほぼ一人でやって来ましたが
今年度、そして来年度からは高校・教育魅力化プロジェクトに対して、行政、地域連携、塾運営、学力向上・大学受験、推薦・AO入試指導、人事戦略、キャリア 教育、プロジェクトマネジメント、経理総務などそれぞれの分野で経験と実績豊富なプロフェッショナルが参画。拡大していくプロジェクトだけど、恐らく最強レベルのチームになり、頼もしい。その彼等彼女等の最初の会議が先週行われた訳ですが、そこでは「如何に藤岡を黙らせるか」が話し合われていました。
最近は率先して動くと怒られます。笑
でも、経営者としてそれで良いと思うのです。
まだ癖で口出ししたり、率先して動いてしまいますが、癖を抑え、任せて、必要に応じて出るくらいのスタンスで良いかなと。


プロジェクトマネジメントスタッフや各地のメンバー、学校・行政関係者総勢で6-70名のプロジェクト。起業して12年目、事業規模とタイミング的に組織のphase3になる。つい最近、「藤岡さんは教育者というよりも経営者ですね」と言われたのが、ちょこっと嬉しかったりしました。
今まで不安定だった組織体制は段々と強固なるモノに。ここで経営者としての器が問われます。
来年度からは僕自身の大きいキャリアチェンジ、研究開発に力を入れて行きながら、個人としても、新しいphaseに挑戦する。
飛び込んで形にして、チーム体制を整え、任せて、また飛び込む。そんなPrima Pinguino(ファーストペンギン)です。
ちなみに、各分野のプロフェッショナルが揃って居ますが、皆に共通なのは、肝臓のプロフェッショナルということでしょう。

2017年1月12日木曜日

【自身の道を探す人たちが多様な視点の中で自身を取り巻く世界について理解し、
生活の中で自身について考えるデンマークのフォルケホイスコーレは、教室よりも
対話の場が多い学校だった】

年始からデンマーク、イギリスを教育視察で回りました。
徐々にここで書いていこうと思います。

1/4-5でデンマークのフォルケホイスコーレを回りました。
フォルケホイスコーレは日本には無い形態なので、イメージがつきにくいのですが、
全寮制で三食、同じ釜の飯を食いながら、その一体感の中から、自身の在り方や
方向性を考えるフォルケ=人々、ホイスコーレ=高校です。
ギャップイヤーのための学校と考えるといいかもしれません。基本的には
デンマーク人のためのものですが、フォルケホイスコーレやプログラムに寄っては
多様な国籍の人たちが、参加し自身を取り巻く世界のことや、生活の中で自分の
役割について考えます。17.5歳から入学でき、大学に行く前に自身の方向性を
見定めるために行くそうです。もちろん、行く理由や目的も様々。これ!という
決まった方向性がないのも、フォルケホイスコーレの良さかもしれません。
ただし、あるフォルケホイスコーレはシチズンシップを、また別の
フォルケホイスコーレは民主主義を、と根幹は同じようで意味付けは異なりるようです。
そんな学校がフォルケホイスコーレです。

1/4はコペンハーゲンからほど近い、クローロップフォルケホイスコーレに。
先生の一人のアフリカ出身のガルバ先生と面談し、案内してもらいました。
森の中にあるフォルケホイスコーレ。都市部からは離れて、言わば、浮世から離れて、
多様性のある人種と視点で、まさに「群盲象を評す」環境で、捉えにくい自分たちを
取り巻く世界について自分なりに理解し、世界観を作りながら、生活を通して自身に
気づく環境でした。学びの形はディスカッションが基本で、地域と連携した
アクティブラーニング、場合によっては世界に飛び出てフィールドワークをすること
もあるそうです。徹底的に世界(世界=海外ではなく、取り巻く環境なので地域も
含めて)に出て、触れて、議論して、理解する。学住一体で、人の中での自分の
立ち位置を捉える。社会を知り、自分を知る。その中でシチズンシップや民主主義に
ついて理解する。稼ぎのキャリアだけでなく、社会への勤めについても、理解する。
理想的な形での教育形態だなと思いました。もちろん、フォルケホイスコーレを
日本に作ることは簡単ではないですが、高校魅力化の中で十分取り入れられる要素
だと思います。

1/5はフェン島までドライブし、日本人がデンマークで作ったフォルケホイスコーレに
向かいます。その話は次回。

参考:ウェブマガジンDR!VE
「なぜデンマークの働きかたは超ホワイトなのか?
 国民の学校フォルケホイスコーレにみる民主主義教育の重要性」