2019年2月28日木曜日

経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されました

株式会社Prima Pinguinoは経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されました。
そのプログラムの様子をご紹介します。

1月には長野県・北海道で、公立教員向けに、「高大接続・大学入試改革対策研修プログラム」として実施しました。
このプログラムは、公立高校の先生方向けに、PBLでの教育を実現する能力開発プログラムです。

なぜ、PBLを地方の公立高校の先生方向けに実施するのかというと・・・・

昨今のEdtechの発達により、先生方の過度な負担が軽減された後が実は重要です。
今後の社会に必要な力を育成するためにPBL(Project Based Learning)を実施する必要があります。
新指導要領や総合的な探究の時間においてもPBLの重要性は増しています。一部、都市部の高校ではPBLの勉強会などが行われています。
しかし、PBLを実現できる先生は多くはありません。PBLの意義自身も特に地方の公立高校まで行き届いておらず、理解すらされていない場合もあります。
PBLとは何か、教育手法や教材、教育環境、教育できる先生のスキルすら模索段階であると言っても過言ではない状況です。

そこで今回のプログラムでは、高大接続・大学入試改革対策として、PBLを意味づけて研修プログラムを開発し、実施しました。
PBLは2020年から改革される高大接続・新大学入試で評価される学力の3要素の育成に向けて有効な手法だからです。
また、高校生にとっても「いつかの将来のために」よりは「目の前にある大学入試のために」と短期的ではありますが、
きっかけとして、訴求力が高いと考えました。高校の先生方にとっても、今後の改革は気になるところでしょう。
PBLを拡大をさせていくためには、ロマンだけでなく、ソロバンも重要であると考えました。

プログラム内容は以下の通りです。

Session1:PBLのパフォーマンスを高める心理的安全をチームビルディングで醸成し、リフレクションも実施する。

Session2:Session2は3フェーズに分かれており
2-1はジグソー法により、PBLに必要な知識活用力などのスキルセットと知識を学ぶ、
2-2はチームで問いを立て問題発見・解決策を考えて表現する、
2-3は学問カルタでPBLの成果を学問に結びつけて進路や志望校に接続する。

Session3:いわゆるソフトスキルのような得点にしにくい自身の能力(リテラシー・コンピテンシー)を高めていく経験の言語化をプレスタ法で実施するリフレクション。

Session4:新大学入試模試では新しい入試形態を体験し、入試と今後社会で求められる21世紀スキル、PBLの関係を参加者自身が言語化し、認識する。

プログラムと大学入試改革との繋がりは以下の通りです。

Session1と3はリフレクションによる21世紀スキルの自己成長力を実現するメタ認知力を高めると同時に新入試でいえばe-ポートフォリオ対策にもなっている。

更には自身を知ることはもちろん、自己PRや志望理由書にも繋がってくる。学力の3要素における主体性・協働性・多様性を自律的に育む手法にもなっています。

Session2は2-1でリテラシーやPBLでの問題発見解決能力を高めると同時に、思考コードにも対応しており、大学入学共通テスト(仮)における記述式の設問に対応。
2-2は自身の目的意識や志望理由を構築する能力に直結し、PBLの過程で学力の3要素をバランスよく鍛える。当事者意識がPBLに重要であることも認識させる。
2-3では生徒自身の進路選択に繋がる。志望理由書にも対応可能

今後に必要な21世紀スキルや学力の3要素を鍛えていく過程で新大学入試改革にも対応するロマンとソロバンの両立こそ、キレイゴトだけではない、現実を見据えたムーヴメントになり、結果、多くの人を巻き込む原動力になると、信じています。

長野県では、主に公立高校の教員のみを対象に、1月12~13日・1月19日の3日間にわたり長野市内で研修を実施しました。
高校の先生方としては、初めてのPBLに戸惑いつつ、試行錯誤しながらも、先生方自身でPBLをご理解されたようでした。
「これなら生徒にやってみたい」、「PBLと新しい入試の繋がり、学力の3要素との繋がりがわかった」、「また研修があるのであれば参加したい」との声をいただきました。

また北海道では、公立高校の教員の方に、一部このテーマに関心のある自治体職員や会社員の方などを加え、女満別高校にて1月16~18日に実施しました。

北海道でも上記のような感想に加えて、先生方以外の社会人が参加した意味があったようで、先生方以外の社会人からは「高校の先生と生徒にとって良い教育をしたいという思いは一緒だと気付いた。
こういう経験がなければ、ずっと勝手に作った壁を感じていたであろう。専門性の壁。学校に入るのはおこがましいと思っていた。
何を目指しているかがわかると、違いはやり方だけで、むしろアプローチの違いが武器になる。」との声が。

また、(かつて会社員経験がある)先生からは「PBLは多様な人、違う人の立場の意見を聞いて進める方がいい。
教員になってからほぼ、そういう機会ははない。学校にきてもらって、社会人とやってみたい。」と地域連携の可能性を感じさせるものでした。

このように、異なる立場が同じ目標や問題に向かっていきながらの学びを「越境型学習」と呼んでいますが、PBLには越境型学習が有効であることが参加者に意見からもわかってきました。

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