多くの地域でプロジェクトを多面的展開をしていると、「あの地域、学校は良いなぁ」と言われることがある。うまくいっている地域ほど恵まれているように思えるし、見える。自分たちの地域を改めて見たとき、自分たちの方が厳しい状況のように思える。自分がそこにいることを恨むこともあるだろう。
もちろん、自分もある。常に挑戦しているから、常に厳しい状況。自らそこに飛び込んでいるともいうが。(それがファーストペンギンである所以だが)
そんな時、いつも、4つの抜く、を意識するようにしている。
考え抜き、もがき抜き、試し抜き、反省し抜いたか。
①考え抜いたか?
まず、自身と自身を取り巻く環境について詳細に、状況を捉え、構造化したか。愚痴と問題提起の違いは、問題を構造化して伝えているか。問題を設定すべく、あるべき姿と現状を考えたか。その上でギャップを捉え、なぜ起きているのか、深堀だけでなく、どの要素が共変関係が関連性があるのか、どんな悪循環があるのか、その根拠はあるのか。類似した状況はあるのか、そことの相違点と共通点はあるのか。類似した状況では、どんなプロセスで解が導かれたのか、どこまで解決していて、どこから解決していないのか。それはなぜか、などなどなど。書ききれないほどの「問い」があり、それらが全て考え抜かれたかを気にする。
(とはいえ、これでも抜け落ちることが多く、社員に突っ込まれる日々である。うちの社員、すごい)
②もがき抜いたか?
簡単には答えや結果は出ない。行動してみても、うまくいかないと。結果はすぐにはついて来ず、悶々とした日々が続くことになる。もがき、苦しみ、自分が嫌になる。安易な答えにすがりたくなる。助け舟が神のように思える。しかし、もがく時期ほど、人の学習能力は高くなる。認知的不協和というモヤモヤした状況に、人は本能的にそれを解消したいと考える。その為に、考え、知識を獲得し、学ぶ。僕の世代の男性は、雑誌hot dogの「女の子はデート中に何を考えているか」とか「デートの時にすると喜ぶ5つの法則」を、数学の解の公式を覚えるよりも早く学んだだろう。もがく時期ほど、悶々とする時期ほど、その学びは自分ごとになる。もがき抜いた先にある学びや行動の集大成は、恐らく、その当事者オリジナルになるのだと思う。その一部が計画された偶発的理論だと理解している。そして、うちの社員は僕がもがく姿を楽しんでる。多分。
③試し抜いたか?
あらゆることを考え抜き、もがき抜き、その上で、試しただろうか。行動に移して、トライしただろうか。失敗した理由を突き止め、改善して再挑戦してみただろうか。挑戦も試行もやり抜かないと意味がない。やってみて初めて結果が出て、声が出る。何もしないのに声や意見が出ることはない。誰もがなにかを食べて口にしないと本当に美味しいかまずいかはわからない。試せば、見えてなかった世界がいともあっさりと顔を出す。
④反省し抜いたか?
反省というとネガティブなイメージがあるので「振り返り」とか「リフレクション」という言葉でも良いと思う。何かを考え、企画し、実行してみた時、その結果を良い結果にせよ、悪い結果にせよ、ゴールからスタート地点を反り返り、省み、分析し、考え尽くした時には、今後のヒントと、改善点、次の企画が見えてくる。行動や挑戦の結果は、財産だ。その財産は、反省するかしないかで、宝になるかクズになるかの分水嶺となる。
【文句や愚痴はやってから言う】
「ちはやふる」という映画で、主人公のひとりの男の子が、「俺はなにをやっても、勝てない、そうわかったんだ。」と呟く。競技カルタの師匠の神社の神主は「やってから言いなさい」とピシャリという。
好きなら好きといえば良いし、行動したいなら行動すれば良い。挑戦したいなら挑戦すれば良い。自分を守るための言い訳をして、文句や愚痴を言うなら、他の人の大切な時間を巻き込む覚悟を持ってほしい。聞いている人は「ならやってみれば良い」と思っていることを意識しつつ、文句や愚痴を言えばよい。文句や愚痴を言う時間があれば、企画や挑戦を考えて実行すれば良い。でも、人間は弱いモノ。文句や愚痴も言いたくなる。ならば、それらをフル活用する。構造化されていないその情報には、実は価値がある。耳を傾けて、よく聴き、繋ぎ合わせたり、論理的にすることで、見えてくることがある。
古代の呪い戦とは、そう言うものだったらしい。
呪いとは要は敵の愚痴や悪口。それをしまくる。それを聞いた将軍やリーダーは頭の中で構造化し、作戦を練ったらしい。文句や愚痴を聞いても、考え抜く。
【要はやったもん勝ち】
ということかなと。
なぜ、4つの抜くなのか。
多分、僕は「しつこい」とても「しつこい」
簡単には諦められない。故にしつこい。
頑固だ。それは母親の東北人の血だ。
それが僕のアイデンティティに起因している。
だから、4つの抜く、なのかもしれない。
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