大学の国際マネジメント入門の授業がクライマックスを迎えました。
この授業は、僕が以前、設計に関わった内容を、本学の本学部に合う様にゼロベースで見直した講義です。
2011年に開発に関わった授業ですが、当時はようやく大学でも「課題発見解決能力が必要」と言われ始めた時期。さらには就職を見据えて社会人基礎力を身につける講座が必要だけど、どうやって企業経験を大学に持ち込むか、良質な失敗体験を積ませる、など余震が起きている新宿や明治大学のキャンパスで議論しながら作っていました。
もちろん、当時は精一杯のモノを作っていた自負はあります。
しかし、記録は破られるためにある、のと同様に、教育プログラムも、それこそプログラム自身の課題発見解決、教育哲学や社会状況の変化により更新されるのは宿命なのかもしれません。
2011年当時よりは高校でも大学でも課題発見解決型、つまりはPBL型の授業が増えてきました。
当時僕は、SFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)時代に培ったプロジェクト学習の知見を活かして、海士町で夢ゼミや夢探究というPBL型の授業の設計と実施をしていました。
当時は珍しかった様ですが、今では4割くらいの高校が課題発見解決型授業をしたり、大学生がゼミ活動なども含めて地域に出て課題発見解決をするという教育スタイルが散見される様になりました。
しかし、高校生や大学生が考える課題や解決策を見てみると、ある傾向がありました。それは
①課題発見解決策が他人事
つまり評論家的な視点で、自分ごと感を感じない。(で、それ、キミやるの?魂込めて)
そして、これは致命的、
②課題発見解決策がだいたい同じ
予定調和でした。
①に関しては、やはり自分に関係ない問題に取り組んだって、自分ごとにはならないんですよね。
②に関しては、だいたい「地域の宝を発見してSNSで発信しよう!」「ゆるキャラ作ろう」「地域の良さがわかれば人が来るはず!」など収束してしまう傾向があった。
(それはそれで高校生や大学生が頑張って考えたのでいいのでは?と思うけど、企業で研修費用が削られている状況では少しでもできることはしたほうがいい立場です。)
この2点に関して、悩んでいたところに、本学の山本先生たちとの議論で得られた知見から、
「身近で自身に関係して、場合によっては問題・課題を可変可能」
「コンピテンシーだけ重視するのではなくリテラシーも育みながら(他の授業でリテラシー育成を並行して実施)」
国際マネジメント入門は大先輩2名の先生に、新米教員の僕が引っ張られながらなんとか形に残すことができました。感謝。
来年はもう少し良い動きします。(宣言)
教員のみなさま、学生さん、太陽アソシエイツの方々、ありがとうございました!