2017年12月13日水曜日

スーパージェネラリストになるには

近年、高校で地域性を生かした特色あるコースや学科、総合科目ができています。
国際観光科や地域創造科など。
今後はワイン科など増えて行くでしょう。


ただ、「それらを学んでもむしろ専門的で、高校生の進路選択の幅を狭めるのでは?」

という意見があり、
僕は「そんなことないですよ」
と言っていましたが、なかなか理解が得られませんでした。
が、これは良い話です。

「一芸に徹すれば万般に通ず」
〝 〔スーパージェネラリスト〕
 アメリカのニューメキシコ州の片田舎に、
 現代科学の最先端のテーマ、「複雑系」を研究する
 サンタフェ研究所があります。
 世界的に知られるこの研究所では、
 物理学、生物学、心理学、政治学、経済学、社会学など
 様々な分野の専門家が世界中から集まり、
 広汎な学際的研究が行われています。
 かつて、このサンタフェ研究所を訪問したとき、
 初代所長のジョージ・コーワン博士に会う機会を得ました。
 そのとき、博士の語った言葉が、心に残っています。
 「世界中からノーベル賞級の研究者が集まる
  このスペシャリスト集団をマネジメントするために
  どのような人材が必要なのでしょうか」
 その問いに対して、コーワン博士は、ただ一言で答えました。
 「スーパージェネラリストです」
 なぜ、博士のこの一言が、深く心に残っているのか。
 それは、博士の語る「スーパージェネラリスト」とは、
 単に、様々な分野の知識を幅広く理解している人材
 という意味ではなかったからです。
 「スーパー・ジェネラリスト」とは、
 一つの専門分野を深く掘り下げた経験を持ち、
 その結果、すべての分野に通じる
 深い叡智を獲得した人材のことだったからです。
 一芸に徹すれば、万般に通じる。
 その古き日本の諺のごとく、
 我々の叡智を求める営みは、
 あたかも「井戸水」のように、
 一つの場所を深く掘り下げていけば、
 必ず地下水脈に突き当たり、その地下水脈は、
 どこまでも横に広がっている。
 西洋科学の最先端が求める「スーパージェネラリスト」
 それは、東洋思想における
 叡智の在り方に通じる言葉でもあったのです。
                  田坂広志さんより〝

田坂さんが引用した“一芸に徹すれば、万般に通じる。”

確かに、一つのことを突き詰めると問題や課題が多岐に渡ります。
なぜなら、一つの物事は、実は複雑に様々な要素が絡み合っており
一つの分野や学問でアプローチすることは困難です。
だからこそ、突き詰めていくと、様々な分野や学問に突き当たります。
その経験がスーパージェネラリストを育むのではないでしょうか。


そして高校生であれば、様々な分野や学問に触れられることで、自身のやりたいことを見つけられるのではないでしょうか。


私自身がお世話になった慶應義塾大学SFCもそのようなキャンパスだったのでとてもよくわかります。

“一芸に徹すれば、万般に通じる。”

心に留めておきたい言葉です。